ロック

The Beatles - Revolver(1966)

更新日:

個人的にビートルズの評価ってすごく難しい。一方でYesterday、Let It Beみたいなポップミュージックの教科書のような曲がある。また他方でHappiness is a Warm Gun、A Day in the Lifeのように実験性に富んだ曲もある。保守性と革新性の混在。まあだからこそ「20世紀最高のロックバンド」と称されるのかもしれないけどね。

で、このリボルバー、ビートルズ中期の傑作とされている。前作Rubber Soulに比べて実験的な要素が明らかに強い。I'm Only Sleepingのテープの逆回転、Love You Toのジョージのインド志向が全面に出されている一方でポールのHere, There And Everywhereのような美しいメロディの楽曲も収められている。Yellow Submarineでは、スタジオの物置にあった音の出るものを持ち出して、スタジオのスタッフやマネージャーも録音に参加した。

本作リボルバーは、前述したビートルズの保守性と革新性、このバランスが絶妙なのだ。

だが続くSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandが完全なサイケデリックアルバムであることを考えると、リボルバーはビートルズがサイケに向かう過渡期のアルバムと位置づけざるを得ない。するとどうしてもジョンの楽曲に耳が行ってしまう。She Said She Saidのイントロのギターとメロディ、気だるいボーカル。ガレージサイケ風のDoctor Robert。

極め付けは本作ラストのTomorrow Never Knowsだろう。カモメの鳴き声をはじめ様々な音をコラージュしたこの楽曲のコードはたったひとつだ。重たいビートに乗せて歌うジョン。これほどシンプルで混沌とした曲を自分は他に知らない。歌詞も難解でおそらくドラッグの影響下にあるであろうことがうかがえる。

このTomorrow Never Knowsの制作過程には次のような象徴的なエピソードがある。コード1つで書き上げた曲を「丘の上でダライ・ラマがお経を唱えているような声で歌いたい」というジョンに対して、プロデューサーのジョージ・マーティンは「チベットまで行くのには、お金がかかりすぎる。ここでやってみないか」。

ビートルズといえば来日時の騒動しか知らない人は、その数カ月後にこれほどまでの創造的作業が行われていることを知れば驚いたことだろうと思う。

ビートルズはリボルバーのリリースを経て傑作Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandのレコーディングに入る。怪物が生まれる前の静かな鼓動。それがリボルバーなのだと思う。

【関連記事】

The Beatles - Rubber Soul(1965)

The Beatles - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band(1967)







-ロック
-, , , , , ,

Copyright© 試行錯誤するロック , 2018 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.