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Al Kooper - Naked Songs(1973)

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ボブ・ディランのサポートを務めたり、自分でグループを結成して解散させ、またロック界のスーパースターを集めたセッションアルバムを作り、ライブまでやってしまう、まあ何とも忙しい人である。

そんなアル・クーパーが1973年にソロアルバムをリリースした。それが本作ネイキッド・ソングス(邦題:赤心の歌)である。

ネイキッド・ソングスには比類なき孤独感があふれている。楽曲の主人公たちは神経を病んだベトナム戦争の帰還兵、病に冒された女性、報われない愛に苦しみ「人生は不公平だと」嘆く男。アルはこれらの楽曲を美しいピアノを主体に切々と歌い上げている。決して明るいアルバムではない。ネイキッド・ソングスというタイトルが示すとおり、極めて個人的なアルバムだ。

だがそれでもアル・クーパーは冒頭の(Be Yorself) Be Realで「自分自身でありなさい」と歌うのだ。たとえ世の中が自分の思うようにいかないものであっても、自分以外の誰かになろうとしてはいけないと。このメッセージは聴き手の心に強く突き刺さる。

朝6時に起きて、満員電車で窒息しそうになりながら会社に着く。出先の顧客に罵倒され、会社に戻れば書類の山。終電ギリギリで帰宅しても家族はとっくに寝ている。楽しみといえば給料日に同僚と酒を酌み交わし、仕事や人間関係の愚痴を言い合うことくらい。

本作ネイキッド・ソングスはそんな愛すべきオッサンに聴いてもらいたい大人のためのロックアルバムである。







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