ロック

Neil Young - After the Gold Rush(1970)

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アフター・ザ・ゴールドラッシュはニール・ヤングの3作目のソロアルバムである。バックはクレイジー・ホースに加え、ジャック・ニッチェ、スティーヴン・スティルス、ニルス・ロフグレン、グレッグ・リーヴスが参加している。

このアルバムは1970年にリリースされた。アフター・ザ・ゴールドラッシュを語るのに不可欠なのは当時のアメリカの時代背景だ。

1967年、60年代のロックを総決算するイベントが開催された。「ウッドストック・ミュージック&アート・フェスティバル」である。全米から40万人もの若者が集まったこのイベントで、人々は「ラヴ&ピース」を掲げた。

しかしウッドストックはベトナム戦争を終わらせることはできなかった。悪質なドラッグの売人も増え、死人も出るようになる。警察も未成年の家出人捜索の名目で大規模なヒッピー狩りを展開した。

そして、同年12月オルタモントで行われたストーンズのフリーコンサートで、警備を任されていたヘルス・エンジェルスが観客の黒人青年を暴殺するという事件が起こった。

これは「オルタモントの悲劇」として今も語り継がれているが、「ラヴ&ピース」を合言葉に理想的なコミューンを夢見ていたヒッピーたちの幻想は見事に崩壊した。

話をアフター・ザ・ゴールドラッシュに戻そう。このアルバムにはそうした「祭りのあとの儚さ」が全体を包んでいる。タイトル曲のAfter the Gold Rushのなかでニール・ヤングはこう歌う。

「友達が僕に言った言葉を思い出した。 それが嘘であることを願った」。

アフター・ザ・ゴールドラッシュは名曲ぞろいだ。ニールの切ない歌声で始まるTell Me Why、アメリカ南部の黒人差別を強烈に糾弾したSouthern Manでの不器用ながらも聴き手の心を揺さぶるエレキギター。優しく語りかけるように歌われるI Believe in You。バックもこれらニール・ヤングの楽曲を的確に支えている。特にコーラスワークは秀逸の一言に尽きる。

若者たちは疲れていた。ニール・ヤングはその孤独感、疎外感を傍観するわけでもなく励ますわけでもなく、ただ寄り添う。

アフター・ザ・ゴールドラッシュにはそうしたニール・ヤングの繊細な優しさが溢れている。







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