ロック

Joy Division - Unknown Pleasures(1979)

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パンクの消滅。1979年はそんな虚無感が漂っていたのだろうと思う。もはや「怒り」だけでは何も変えることはできない。

そんな時代にシーンに登場してきたのがジョイ・ディヴィジョンだ。本作アンノウン・プレジャーズは彼らのファーストアルバムである。

ジョイ・ディヴィジョンはもともとはピストルズに触発されてマンチェスターで結成された。当時の演奏は荒削りで典型的なパンク・ロックだったという。

しかし、本作アンノウン・プレジャーズでのサウンドはパンクとは全く異なる性質のものだ。

無機質に繰り返されるドラムのビート、感情を廃し、怒りなどどこにも感じないどこか「覚めた狂気」を感じさせるギター、メロディアスなベース。そしてボーカリストのイアン・カーティスの不安定なボーカル。

このアルバムでジョイ・ディヴィジョンは一躍ポスト・パンクのアイコンに上りつめることになる。

特に評価されたのはイアン・カーティスの書く内省的な詩だった。

パンクの終焉に対する絶望感、孤独感、疎外感。これらをイアンは詩に託した。

まるで何かを贖罪するようなその詩は、音楽性こそ違うけれど「ジョンの魂」に近いものがあるように思える。

ただし、アンノウン・プレジャーズは「パンクの夢に破れた絶望のアルバムである」と簡単に片づけてしまうのはあまりにも早急であると思う。

絶望とともにあるもの。それは「ここではないどこか」を必死に探し求めようとするバンドの強靭な意志だ。

それはバンドサウンド、イアンのボーカルから感じ取ることができる。

アンノウン・プレジャーズの冒頭を飾るDisorderでイアンはこう歌っている。

「僕にはスピリットがある。感情を失っても何とか表現することができた」

絶望の暗闇のなかでもがき苦しみながら、ひとすじの光を探そうとする意志。

本作アンノウン・プレジャーズの本質はそこにあるのでないかと思う。

ジョン・レノンがGODのなかで、「僕は僕だけを信じる」と歌ったのと同じように。

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