ロック

The Velvet Underground - The Velvet Underground and Nico(1967)

更新日:

すでに職業作曲家として、ありとあらゆるロックンロールを聴きあさっていたルー・リードはザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド結成にあたって何を考えていたのか。

おそらく語り口調で人間のダークサイドを描く純粋なロックンロールをやりたかったのではないかと思う。

その一方で、クラシックの素養があり前衛芸術を志向していたジョン・ケイルとの出会いがあった。

そして彼らのパトロンであるアンディ・ウォーホルとの出合いが決定的だった。

やがて点がだんだんと線に変わっていく瞬間である。

こうしてウォーホルの意向によりゲスト・ボーカルとしてニコを迎え、完成したのが本作ザ・ヴェルベット・アンダーグラウンド&ニコである。

本作ザ・ヴェルベット・アンダーグラウンド&ニコの魅力、それはSunday Morning、Femme Fataleなどで奏でられる、崩れ落ちる寸前のような儚い美しさと、The Black Angel's Death Song、European Sonなどの破壊的な暴力性、この2つが表裏一体となっているところにあると思う。

言いかえればルー・リードとジョン・ケイルの個性のぶつかり合いとなるのだろうが、美しさのなかに暴力性を感じ、逆に暴力性のなかに美しさを感じとれるロック・アルバムというのは、そうそう出会えるものではない。

ニコのボーカル参加についてメンバーたちは不本意だったらしいが、先に書いた本作ザ・ヴェルベット・アンダーグラウンド&ニコの魅力に十分な貢献を果たしていると思う。

本作The Velvet Underground and Nicoの米国チャートの順位は171位であった。The Velvet Undergroundほど、その活動期間中の評価と後の評価に開きがあるバンドは珍しい。

後に、本作ザ・ヴェルベット・アンダーグラウンド&ニコはパティー・スミスをはじめパンク・ムーブメントに多大な影響を与えることになる。My Bloody Valentineをはじめ、ヴェルベッツのフォロワーを数え上げたらきりがないくらいだ。

本作ザ・ヴェルベット・アンダーグラウンド&ニコをサイケデリック・アルバムと呼ぶことはたやすい。しかしビートルズやストーンズが懸命にサイケデリック・アルバムを作ったのに対し、ヴェルベッツは存在そのものがサイケデリックだった。

それがThe Velvet Undergroundというバンドの本質であると思う。

【関連記事】

Yo La Tengo - I Can Hear the Heart Beating as One(1997)

Lou Reed - The Blue Mask(1982)







-ロック
-, , , , , , ,

Copyright© 試行錯誤するロック , 2018 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.