ロック

The Beatles - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band(1967)

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もう閉館してしまったけど、東京タワーの「蝋人形館」。そこにサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンドのミリタリー・ルックに身を包んだビートルズの姿があった。

初期のスーツに身を包んだビートルズじゃなくて、あくまでサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンドを選ぶってことは、このアルバムの重要性を東京タワーまでもが認識してたってことだ。

まあ、それはさておきサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンドについては、色んなメディアでその素晴らしさについて語り尽くされてきたので、正直何を書いていいのやら迷う。

いろいろ考えたんだけど、やっぱり本作で一番重要なのはアルバムに「設定」を持たせた点に尽きるんじゃないかと思う。

自分たちをペッパー軍曹のサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンドという仮想のバンドに仕立てて、アルバムをそのバンドのコンサートのように構成している。いわゆる「コンセプト・アルバム」ってやつですね。ジャケットもその設定に追随しているし。

それまでそんな発想をしたバンド、アーティストはいなかったのだから、これは衝撃的だったと思う。今まではアルバムの中にせいぜいヒット曲が2~3曲入っていて、あとはオリジナル曲を並べただけの世界だったんだから。

曲についても画期的だったと思う。当時のビートルズはライブ活動から離れ、スタジオで導入したばかりの8トラックのレコーディング環境で無限のアイディアを試した。それで、楽曲の色づけが鬼のように広がった。しかも散漫にならずにピシッと決まっている。

あらゆる意味で「完璧なアルバム」と言えると思う。

ただ、コンセプト・アルバムとか曲のアレンジとかを抜きにして、1曲づつ取り上げてみると、純粋な楽曲のクオリティーは前作のリボルバーの方が高いと思う。

それでも本作には切り札のA Day in the Lifeがある。この1曲だけでリボルバー1枚分に匹敵するくらいのクオリティがあると思う。

ロック史上、こんなに美しく、ドラマティックな曲はないと思う。

本作以後のビートルズは、メンバーの個人活動色の濃いアルバムを発表していくことになる。ホワイト・アルバムなんかはその典型例だ。

だから「バンドとしてのビートルズ」としては本作が事実上のラストアルバムと言ってもいいのかもしれない。

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンドはロック史を変えた1枚であることは確かだ。それは60年代ロックをサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド以前と以後に分けてしまうほどに。

時代を超えた化け物のようなアルバムであると思う。

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