ロック

The Band - The Band(1969)

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「両親が間違っていたからといって、それがどうしたっていうんですか」

ザ・バンドのギタリスト、ロビーロバートソンの1960年代後半の言葉である。

両親の価値観に反抗し、家を飛び出して「愛と平和」を謳歌していたフラワー・ムーブメント真っ最中の当時のヒッピーたちや時代背景にとっては、相当にショッキングな発言であったと思う。

ザ・バンドはドラム&ボーカルのアメリカ人であるレヴォン・ヘルムを除いてはメンバー4人がカナダ人である。

つまりヒッピー文化から見れば彼らは「よそ者」だったわけだ。それが冒頭の発言につながったのだと思う。

本作ザ・バンドはそんな「よそ者」の2ndアルバムである。1969年にリリースされた。

本作ザ・バンドには、サイケデリックナンバーや長時間のインプロビゼーションナンバーなどは一切、収録されていない。確かな演奏力に裏打ちされた良質のアメリカンロックの名曲が多数収録されている。

ザ・バンドにはニューオーリンズ風のホーンセクションを用いたデキシー調のナンバーAcross the Great Divide、フィドルではじまり、リチャード・マニュエルのピアノが冴える軽快なR&RナンバーRag Mama Rag、アルバムのハイライトといえる南北戦争をテーマにした感動的なナンバーThe Night They Drove Old Dixie Down、リチャード・マニュエルがソウルフルに歌い上げる名バラードWhispering Pines、マンドリンとアコースティックギターの響きが印象的なRockin' Chairなど「アメリカンロックの良心」とでも呼べそうな珠玉の楽曲が並ぶ。

ロックン・ロール、R&B、ニューオーリンズ・ミュージック、ブルース、ゴスペル、カントリー、デキシーランドジャズを彼らは愛した。

そして、誰もがヒッピー幻想のもと「何か新しいもの」を懸命に探している時代に、ザ・バンドは逆に「永遠に変わらない」ものを求めた。

それは冒頭に書いたように、メンバー4人がカナダ人だったことが大きく影響していたのだろうと思う。だからこそ、サンランシスコの人間には見えなくなっていた「根っこ」の部分を的確にそして冷静に見つめることができた。

本作ザ・バンドはそんな「よそ者」たちの憧れの象徴のようなアルバムだと思う。

僕はそんなこのアルバムが大好きだ。







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