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Primal Scream - Chaosmosis(2016)

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アルバムを出すたびに「こりゃ別のバンドじゃないか」とツッコミを入れたくなるのがプライマル・スクリームである。最初はネオ・アコバンドで始まって、ハウス・テクノのアルバムを作ったかと思えば、ストーンズばりのメンフィス・サウンドのアルバムを作ったりする。

今回紹介するカオスモシスは一言で言うと「エレクトロニカに乗せた歌モノ」アルバムだと思う。

とにかく曲のメロディーが素晴らしい。アレンジも女性コーラスを上手に使っている。ボビー・ギレスピーにこんなメロディー・メーカーとしての才能があるとは思わなかったです。正直。

しかも、バンド歴30年を超える50を超えたオッサンがこんなアルバムを作るとは驚きだ。

で、本作カオスモシスはやっぱり名作スクリーマ・デリカを意識して制作されたアルバムだという評価があるけど、それはちょっと違うと思う。

確かに冒頭のTrippin' on Your Loveの高揚感にそれを感じる。ただしスクリーマ・デリカの焼き直しではないアルバムだ。ギター1本で歌われるフォークナンバーPrivate Wars、エレクトロパンクとでも呼べそうなWhen the Blackout Meets the Falloutなど、スクリーマ・デリカにはない要素がたくさんある。

たぶんボビー・ギレスピーは80年代のエレ・ポップを現代に今の時代に復活させようと考えていたのではないだろうか。

ボビー・ギレスピーは、本作カオスモシス発売前のインタビューで「めちゃくちゃ美しいポップ・アルバムを作りたいとも思ったんだ。エクスタシーと悲しさが同時に来るような、そういう二面性が欲しかった。」と語っていた。

その言葉通り、本作カオスモシスのハイライトはなんといっても先行シングルのWhere the Light Gets Inだ。女性シンガーのスカイ・フェレイラと交互に歌われるこのナンバーは、下手すると日本の男女デュエットの演歌の世界なのだが、これがちっともダサくない。初めてこの曲を聴いたとき、新作が本当に待ち遠しかった。

そしてアルバムを買って、さっそくヘビロテになった。だって何しろ曲がいいんだもん。それに収録曲が10曲で、約38分ってのもコンパクトでいいよね。

ボビーは、このアルバムのテーマについて過剰な現代の情報社会のカオスな状態の中から生まれてくる美しさだと述べていた。

確かにうんざりするほどの情報が流れる現代社会の中で、美しさを見出すのは難しいけど、カオスモシスにはその「美しさ」が詰まっていると思う。

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