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Wire - Pink Flag(1977)

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ワイヤーのファースト・アルバム、ピンク・フラッグは1977年にリリースされた。結成当時のメンバーは楽器にすら触ったことがない初心者だったこともあり、本作には長くて3分台、短いもので1分に満たない荒削りでパンキッシュな楽曲が収録されている。

しかし1977年といったらダムドが「地獄に堕ちた野郎ども」をリリースした年だよ。ロンドンのパンク・シーンが熱を帯び始めたこの1976年という年になんでまた、こんなポスト・パンクなアルバムが登場してきたのが不思議でならない。

演奏は決して上手くはない。どちらかと言えば下手な部類に入ると思う。本作ピンク・フラッグには、パンクの怒りや初期衝動は存在しない。ただ、あきらめた音が鳴らされているだけだ。メンバーも「ロックでなければ何でもいい」と公言しているくらいだから。

だが、それがクールでカッコいいのだ。どこまでも醒めきっていて、パンク・ロックですら解体しようとするワイヤーというバンド。ロンドン・パンクシーンで稀有な存在だったと思う。

だが、このワイヤーの手法はジョイ・ディヴィジョン、ソニック・ユースらに多大な影響を与えることになる。たった1コードの楽曲の中にプログレッシブな魅力を感じることができるからかもしれない。

人によっては本作ピンク・フラッグは全部同じ楽曲に聴こえるかもしれない。だが、醒めきった本作ピンク・フラッグはクセになる。さあ、これからってところで曲が終わっちゃうところも含めて。

ワイヤーはロック史上、珍しいバンドだと思う。冒頭に書いたロンドン・パンク全盛期にポスト・ロック的アプローチを試みたり、時代の先見性があったと言えなくもない。

自分も最初、本作ピンク・フラッグを聴いたときは、肩すかしをくらった気分だった。だって、バリバリのパンク・ロックを期待していたから。でも考えてみると、それはパンク・ロックにも一定の「型」があるってことだよね。その「型」を壊した本作ピンク・フラッグはやっぱり凄いアルバムだと思う。

パンク・ロックをも破壊したピンク・フラッグ。もしかしたらワイヤーこそ本物のパンク・バンドなのかもしれない。







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