バート・ヤンシュとジョン・レンボーン。イギリスきってのテクニックと独創性がフルに発揮されたのが本作バート・アンド・ジョン(邦題:華麗なる出会い)である。特にバート・ヤンシュはジミ・ーペイジが最も尊敬するギタリストの1人として挙げていることでも有名である。
まず冒頭のEast Windから。バートはDGDGADチューニングという変則チューニングを用いている。エキゾチックな民族音楽風のアルペジオが自分の部屋に響きわたる。
続いて、Piano Tune。軽快なアコースティックブルースナンバー。なるほど、低音弦の使い方なんかジミー・ペイジに影響を与えたのがよく分かるい1曲。
Goodbye Pork Pie Hatはちょっとジャージーなブルースナンバー。抑揚のついた2人の息もぴったり合っている。本作バート・アンド・ジョンで一番好な曲です。
Sohoはロンドンのソーホー地区をイメージしたのだろうか。切ないアルペジオにボーカルが乗る。フィンガー・ピッキングのオブリガードとソロが秀逸。
Tic-Tocativeは軽快なブルースナンバー。こういうのって簡単そうに見えて実は無茶苦茶難しいんだよね。なのに2人は何事もないようにプレイしてる。凄いの一言に尽きる。
Orlandoはシンプルなリフを2人が繰り返したあとコール&レスポンスの展開になる。不思議な雰囲気を持った楽曲だ。
Red's Favouriteはレッドツェッペリンのアルバムに入っていそうなナンバー。アコギでもここまでロックできるお手本のような曲。
No Exitは「出口がない」というタイトル通り、悲しみのようなものを音色から感じる。
Along the Wayはリズムギターが素晴らしい。ソロももちろんだけど、こういうインストものって言葉にするのが本当に難しいね。
The Time Has Comeはケルティックな雰囲気を持つ楽曲。こういうところにもジミー・ペイジは影響受けてるんだろうなと思わせる1曲。たった1コードでここまでの空気感を出せるのはさすがとしか言いようがない。
Stepping Stonesも2つのコードで曲が展開されていく。だんだんと2人の演奏の熱が帯びてくるのが分かる。しかし2コードだよ。しかも恐ろしく難しい事をやってるのにこの自然体なんなんだろう。やっぱり天才ってことなんだろうね。
ラストのAfter the Danceはケルト民謡を思わせるちょっと曇った空を連想させる楽曲。
2本のギターの絡みが美しい。
エレキもいいけど、たまにはこうやってゆっくりアコースティックに浸るのも悪くないもんです。本作バート・アンド・ジョン。オススメのアルバムです。